カオスな人間
こんにちは
このあいだ、母が頭部に怪我をしたので
実家に駆けつけました。
4ヶ月ぶりのバスと電車。
この時世の終電でも人がそこそこいることに驚きながら、
私の胸を埋め尽くした不安は
コロナではなく母のことでした。
メッセージを読んで学校で泣き、
「元気だから来なくていい、それより学校でやることをやり終わるまでくるんじゃない」
と言う母の気丈な声にもう一度泣き、
母をその側で養えない学生身分に泣き、
母が怪我をした理由を考えると
もっともっと悔しすぎて涙が止まりませんでした。
電話をくれたパートナーの優しい言葉に
道路の脇でひときしり泣きました。
ボロボロの顔で大きなリュックを背負った子を見て、バスの運転手さんは何も言わずに扉を開けてくれました。
優しい人たちを思い出しながら電車に揺られるうちに余計な心配は減っていきました。
あんなに大きく膨らんでいた風船がひゅるひゅるしぼんでいきます。
鈍行で長いことゆられ、
やっと実家の近くまで来た時に
わっとひとが乗ってきました。
ひとりのお姉さんは、
私よりも5席となりに座ったかと思えば
急にごろんとベッドのように座席に寝転がり始めました。
見渡す限り、他のひとは普通に座っているのですが
(それでも多くは船を漕いでいる)
ただすぐ左側にすやすやと寝ている頭の
香水と整髪剤の強いかおりにマスク下をやられて
「ひとってこんな感じだったのだな」
と、深く感じ入ったのでありました。